古町家ギャラリーゆうについて

古町家ギャラリーゆうは、
渋谷から電車で17分、東急田園都市線高津駅から徒歩40秒という立地にありながら、
築80年という昭和の香りを宿したままに、今尚、ひっそりと時を刻んでいる古いお家です。
 
皆様はご存知でしょうか、「ちいさいおうち」という絵本の事を。
自然いっぱいの野花が美しい郊外に建てられた、主人公の小さいおうちが、
どんどん都市開発が進む中、いつしかぐるりと高いビル群に囲まれて、
次第に孤立して行くといったちょっと切ないお話です。

私はゆうを見るとき、いつもこの絵本の事を思い出してしまうのです。

前家主がこの世を去り、
約4年間もの間、ゆうは放置されていました。
木や竹は伸び放題に荒れ、庭の草は足の踏み場も無いほどに生い茂り、
その様子たるや、想像するに源氏物語で読んだ「末摘花君邸」そのもの。
ついには、家までもが傾き始めたころ、
父と母と妹と私で、少しずつ手を入れ直し、
リノベーションとまではいかずとも、
なんとか人が出入りできるまでに復旧させたのでした。

すると不思議なことに、ずっとオンボロだと思っていたこのお家が、
急に、これまでとは違った景色で見え始めたのです。
勿論、自分が歳を取ったせいもあるのかもしれませんが、
この家に詰まった思い出だけでなく、残された数々の備品から伝わる確かな「昭和」の感触が心に刺さり、
なんだかこれは、大切なものを掘り出したのではなかろうか?
そういう気持ちが芽生えたのでした。

目新しいものばかりが溢れかえったこの世の中で、
正直、このおうちがあと何年在り続けられるのかは私もわかりません。
来年までかもしれないし、ひょっとしたら5年先まで行けるかもしれない。
ただその日が来るのを、手をこまねいてぼんやり待つ位なら、
少しでも多くの方に「日本の古き良き時代」の風景を間近で見て感じて頂きたい…
そんな思いから始めたのが、今の「古町家ギャラリーゆう」なのです。

先述した絵本「ちいさなおうち」が最後に元気を取り戻したように、
「古町家ギャラリーゆう」も「今」を楽しんでいるのが私にはとてもよくわかります。
月末に高津へ行く毎に、沢山のお客様をお迎えする度に、
家自身が生き生きと蘇ってきているのが何よりの証拠です。

「ゆう」には「友・遊・優・悠・釉・…」と様々なミーニングがあります。
どうぞ、皆様の「ゆう」を見つけに高津へお越しくださいませ。
そして、トトロの映画のように、どこか温かいノスタルジーを感じて頂けるようでしたら、
もうこれ以上の喜びはありません。



荒井 夏代


<古町家ギャラリーゆうの主な活動内容>
・毎月第4土曜日から4日間オープンする定例ギャラリー
・月に2日間だけひっそりとオープンする隠れ家カフェ
・貸し室、貸しギャラリー
・各種個展
 ☆詳細はブログ右下フォームよりお問合せください☆


※画像提供:紅若菜さん